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タイトル 薬物治療について 
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(糖尿病と薬物治療について)
 糖尿病の治療の優先順位は食事療法や運動療法です。ただこうしたで食事・運動療法でも血糖コントロールが上手くいかない時に初めて薬物治療の対象となります。血液と糖とが結びついた糖化ヘモグロビン(􀀫􀁅􀀤􀀔􀁆)が7􀀈を超えている場合には、糖尿病による合併症(神経障害、網膜症、腎症)を予防するために7􀀈未満を目標に血糖コントロールを心掛ける必要があります。近年薬物治療の選択肢がかなり増え新しい作用機序の薬も登場してきました。従来の膵臓を刺激して
インスリンを分泌するタイプのスルフォニル尿素薬(􀀶􀀸 薬)の利用は激減しました。低血糖を引き起こしやすい副作用やしだいに膵臓からのインスリン分泌が出にくくなるなどの膵臓の疲弊(疲れ)が生じてきやすく体重も増加させ治療効果が思うようにいかないなどの欠点を補うタイプの薬が登場し利用されるようになりました。糖尿病の薬は大きく分けて下のような作用に分類されます。詳しくは更に右のスライドに薬の分類仕訳を示しています。

  膵臓に働きかけインスリン分泌を促す
  肝臓に働きかけてブドウ糖の産生を抑制する
  腎臓に働きかけてブドウ糖を尿中に排泄させる
 小腸に働きかけてブドウ糖の吸収を遅らせる
 脂肪などに働きかけてインスリンの効き目をよくする
運動に必要な筋肉や食欲をコントロールする脳へ働きかける薬は現在のところ存在しないので運動療法と食事療法は患者自身で根気強く行う必要があります。医療関係者はあくまでこれらの治療のお手伝いするだけです。

 食事療法や運動療法で血液中の糖分(血糖)のコントロールが十分に出来ない時には薬の力を借りなければなりません。糖尿病が進展して膵臓からのインシュリンというホルモン(血液中の糖をコントロールする)が分泌されにくくなったり、全然分泌されなかったりすると食事、運動療法では血液中の糖の値を一定に保つことはほとんど不可能になります。こうした時には、薬の力をかりてインスリンの分泌を促進させたりインスリンの足りない分を補ったり、少ない量のインスリンでも効果的に作用するようにインスリンの作用を受け取る受容体(レセプター)といわれるものの感度を高めます。あるいは食後の高血糖を改善したり積極的に余分な糖を腎臓から排出させたりします。体重を増やさないタイプの薬やインスリンの作用を高める(インスリン抵抗性の改善)薬などが最近では多く利用されるようになりました。従来多く利用されていた膵臓を刺激してインスリンの分泌を促すタイプのSU薬(スルフォニル尿素)は余り利用されなくなりました。変わってビグアナイド系のメトホルミン薬がインスリンの抵抗性を改善し全体の血糖を下げ体重を増やさない特徴を持った薬が第一選択肢となりました。腎機能の特に悪い方や超高齢者以外はこの薬が優先されるべきだと言われています。

 糖尿病治療薬は糖尿病を治す薬というものではなく、糖尿病をうまく管理する、血糖コントロールをする薬で、将来的に発生する可能性の高い合併症を少しでも予防する薬だと言えます。血糖コントロールを厳格にすればするほど低血糖の発生リスクは高まります。また死亡率改善する割合も低下すると報告されています。􀀚%を目標に目指すのが体にもやさしい、また死亡率改善にも寄与する目標値のようです。厳格に管理しすぎて低血糖症状が頻繁に生じるあるいは認知機能が悪化する、など元気のもとの血糖はそれなりの値が必要です。ただし高血糖が続くような時はコントロールする必要があります。

糖尿病の薬(日本糖尿病学会􀀃編・著􀀃:􀀃糖尿病治療ガイド􀀕􀀓􀀔􀀙􀀐􀀕􀀓􀀔􀀚,􀀳􀀑􀀕􀀘,文光堂,􀀕􀀓􀀔􀀙􀀃􀀺􀁈􀁅 版一部参照)􀀃