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タイトル 高脂質血症薬 
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= 高脂質血症薬 =

 コレステロールは人体にとって大切なもの、でもそのバランスが崩れた時が体にとって良くない。特別に脂質代謝異常がある場合やコレステロールを下げないと動脈硬化になる可能性が高い時等を除き、薬物療法の前にまず食事の管理や適度な運動が望ましいと言う事を述べました。

 では今回は高脂血症で用いられる薬、つまり医療機関で出される薬について整理してみます。聞き慣れない言葉が出て来ますが、読み飛ばして色々な薬があるのだなぁー程度に理解して頂ければと思います。

 ①クロフィブラート系(アモトリール、リポクリン、ベザトールSR)

 高脂質血症用薬として最も長い歴史を誇っているのが、クロフィブラート系の薬です。主な作用は、肝臓での中性脂肪の合成を抑えると共に、総コレステロールを減らす事です。筋肉が痛んだり、風邪の様な症状、急激な尿量の減少等がある時は担当の医師に報告して下さい。

 ②ニコチン酸系(コレキサミン、ペリシット、ユベラニコチネート)

 コレステロールの合成抑制と排泄促進と中性脂肪の合成抑制をもち、その結果として総コレステロールを低下させる薬。又血管に直接作用して末梢の血管(皮膚表面)を拡張します。その為に時に顔面紅潮や頭痛等が生じる事があります。

 ③陰イオン交換樹脂(クエストラン)

 コレステロールの腸管からの再吸収を阻害し結果としてコレステロールを体外に出してしまおうと言うのがこの薬です。腸管で胆汁酸と結合して便への排泄量を増やしますからお腹が張った感じや、吐き気、便秘等がたまに起こり易くなります。

④HMG-CoA還元酵素阻害薬(メバロチン、りポバス)

 コレステロールが肝臓で作られる時に働くHMG-CoA還元酵素を働きにくくさせて、コレステロールの合成を抑える薬です。平成元年10月に発売された新しい薬ですが、医療機関では非常に良く使用されています。まれに、肝臓障害や他の同系列の薬との併用で横紋筋融解症が起こり易くなります。筋肉の痛みやしびれがちな時に一度医師に相談されて下さい。

⑤その他の薬(ハイゼット、EPL、ロレルコ、シンレスタール、パントシン、MDS)

 . 高脂質血症の患者さんには、直ぐに上記の薬が用いられるのではなく、食事療法を2~3ヶ月行った後に、血清脂質の推移を観察しながら使用されるべきです。又一つの薬で十分な効果が得られないが場合は、作用の異なる他の薬が併用して用いられます。

 

 = 高脂血症用薬 =
 血液中に存在する脂質が異常に多い状態を高脂血症と言います。
脂質はコレステロール、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸等で構成されていますが、問題になるのは、この中のコレステロールと中性脂肪です。
 これらの比率が高いと動脈の壁に少しずつ沈着して、動脈硬化を起こし易くなります。動脈硬化になると狭心症や心筋梗塞等の心臓疾患の直接的な原因になったりします。
 私達の体内にあるコレステロールの8割は、肝臓で合成され、残りの2割が食物として入ってきたものです。8割のコレステロールは、体内で作られているのです。
御存知でしたか? コレステロールの殆どは細胞膜やステロイドホルモンの材料として利用され、残った分は再び肝臓へ又、そこで胆汁酸と言う胆汁の成分を作って、胆のうに収まり、最後に便に混じって排泄されます。
 とかく悪い意味でコレステロールが扱われがちですが、人体にとって大切なものなのです。問題は、そのバランスが崩れた時が良くないのです。コレステロールが高くなる原因の多くは食生活での脂肪の取り過ぎからです。
 まず、食事療法等の食事管理が大切な事の様です。又加えて適度な運動も必要でしょう。薬による治療は、食事療法でも良くならなかった場合や体内でのコレステロールの合成が何らかの理由で過剰になっている場合、或いは胆汁酸の排泄がうまくいかなかったり、コレステロールをキャッチして体の中に取り込む受容体が少ないか、全くない人等に行われます。
 医療用として利用される薬には、次の①~⑤の様な薬があります。
①クロフィブラート系(アモトリール、リポクリン、ベザトールSR)
②ニコチン酸系(コレキサシン、ペリシット)
③陰イオン交換樹脂(クエストラン)
④HMG-CoA還元酵素阻害剤(メバロチン、リポバス)
⑤その他(ハイゼット、シンレスタール、パントシン、EPL、ハイボン)