= 杜仲茶 =
テレビや雑誌で今、話題に上がっているのが杜仲茶です。
当薬局にも”杜仲茶は何にでも効くのでしょう。””体にいいから”と言って缶やティーパック式の杜仲茶を買っていかれる方が増えています。”杜仲”という生薬は中国で昔から漢方薬の成分としてもちいられている生薬の1つです。
杜仲茶はその杜仲の葉を利用して飲用にしたものです。
簡単に、”杜仲”について説明します。
杜仲は、中国大陸にお中央部を横断する大河、揚子江の中流および南部各省に分布し、四川、陜西、湖南省等で栽培されている落葉高木の樹皮を薬用にしたものです。10メートル以上の高木にならなければ樹皮を採取できませんので高価な薬草です。
杜仲は、肝腎を補する要薬として昔から使われていました。極めて大切なことを肝心要(かんじんかなめ)とか肝腎要(同発音)といいますが、肝と心、肝と腎は共に人体にとっては大切なもんpであるところからいわれた言葉です。ここでいう、肝腎とは、肝臓・腎臓という解剖学的な意味だけではなく、古い中国では、肝は筋を主り、腎は骨を主るという考えがありました。よって、杜仲は、筋骨を壮するという薬効を主に持っています。歩くとヨロケル、脚弱、腎骨、関節や腰の痛み、インポテンツに応用されています。また、最近では、血圧降下作用があることで注目されている生薬です。
今、話題になっているのは、勿論、先程説明した杜仲にはかわりありませんが、杜仲の樹皮(高価なもの)ではなく、葉の部分を煎じてお薬にした飲料水のことです。手軽に、お薬がわりに飲めるものとして、商品化されています。ウーロン茶のブームがあった様に体に良いものとして、”杜仲茶”が宣伝されている様です。勿論、糖分の多いジュース類を飲むと思えば体に必要な微量元素も入っていますし、体に良いにきまっていますが、だからといって、飲用して、何らかの効果を期待出来る程の濃度にはなっていないと考えられますし、杜仲でも、樹皮ではなく、葉の部分なので成分も必ずしも同じものとは言えないと思います。あくまでも、医薬品ではなく飲料水です。ちなみに、杜仲の樹皮を薬用として用いる場合、1日に9g~15gと煎じて服用しなくてはなりません。健康ブームにのって、”杜仲”が良いといえば、それだけに走る事は、余りにもマスコミの情報に流され過ぎているのではないかという気がします。高麗人参他、体に良く実証ずみのものも多くありますので、不明な時は最寄の薬局や医療機関で相談されると良いでしょう。
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