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タイトル 高血圧の薬(Ca拮抗剤) 
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Ca拮抗薬(血管を拡げて血圧を下げる)

動脈の血管壁には、平滑筋細胞でできています。この平滑筋細胞が収縮することで血管は細くなり血圧が上がります。この収縮には、細胞内にカルシウム(Ca)イオンが流れ込むことが引き金になっていますのでこのカルシウムイオンの通り道であるカルシウムの流れ(チャネル)をふさぐことで、血管平滑筋細胞の収縮を抑え、血管を拡げ、血圧を下げることができます。

これがカルシウム(Ca)拮抗薬の働きです。Ca拮抗薬には、末梢の血管を広げる(拡張)させるだけでなく、心臓の血管も拡げる(拡張)働きがあり、高血圧だけでなく、心臓の周りの血管、主に冠動脈と言われる血管を広げて酸素の供給や血液の流れを改善して狭心症の治療にも用いられています。血圧にも心臓にも良い薬です。

作用時間の長い薬から(1日1回服用) 1日2回の持続性の薬まで各種あります。血圧を下げる効果の比較的強い薬です。薬によってはグレープフルーツジュース等の柑橘類との飲み合わせの強い(薬の効果が強くでる)問題があるケースがあります。また血管を拡げる作用からもたらされる頭痛や顔のほてり等の副作用が出る場合もあります。

https://swp.shiranui.info/swp/presen_play.php?KEY=s594094bb9c736574143330

 

(大日本住友製薬Hpのイラスト利用)

 

=カルシウム拮抗剤とグレープフルーツジュースなどの相互作用について=

 高血圧には症状に合わせて利尿剤・交換神経抑制剤・カルシウム拮抗剤・ACE阻害剤などが使われます。

 今回、グレープフルーツジュース(以下、GFJ)などとの相互作用で影響のあるカルシウム拮抗剤(以下、Ca拮抗剤)について、その作用を少しお話しておきます。

「1日600mgのカルシウム(Ca)が大人には必要です」などと聞いた事があると思いますが、高血圧の薬のCa拮抗剤の「カルシウム」とは、直接関係ありません。

実は、Caというのは身体の中で色々な働きをもっているのです。特に、Caイオンは筋肉の収縮に大きな役目を持っています。Caイオンが筋細胞の中に入ると筋細胞が収縮します。血管の回りにも筋肉があって、その収縮や弛緩で血管が縮んだり、広がったりします。そこに登場したのがCa拮抗剤です。つまり、Ca拮抗剤は筋細胞にCaイオンが入るのを妨害する薬です。

さて、Ca拮抗剤の作用を簡単に説明しましたが、このお薬の中にGFJとの相互作用で血圧が過度に下がるものがあります。これはGFJに含まれる成分がCa拮抗剤の肝臓での代謝を抑制する為に起こると考えられます。(グレープフルーツ・スウイーテイも同様です。)

 一般にCa拮抗剤と呼ばれる降圧剤とGFJとの相互作用を右の表にまとめて見ました。

×印・・・お薬の作用が増強される事があります。注意して下さい。

△印・・・このお薬で作用の増強されたことはありませんが、注意して下さい。

無印・・・このお薬で作用が増強されたことはありません。

*ノルバスク・アムロジンなどのお薬とGFJの相互作用は比較的安心であると思われます。