くすりの副作用を避けるには① ①用法・用量を守る ②薬の飲み合わせに注意する
薬にはある程度の副作用はつきもの
薬は病気を治してくれるけれど、その使い方や使う量、それを使う人の体重によっては体に悪く作用してしまうことがあります。薬の作用には本来の作用(主作用)と好ましくない作用(副作用)・有害作用とがあります。例えば鼻水やかゆみを抑えるお薬には抗ヒスタミン薬が配合されています。 この薬を服用することで、鼻水がてきめんに止まってくれる(主作用)のは有りがたいのですが、激しい喉の乾きや尿の出が悪くなる、体がだらしくて眠くてしょうがない、といった副作用が生じます。一般にはある程度予想される副作用を知りつつ利用されることが大半です。 ただし仕事に支障をきたしたり、副作用が他の疾病(緑内障の悪化、尿閉等)に影響を与え過ぎる場合には別の代替薬が選択されることになります。
薬の量が多いと副作用も出やすい 薬の効果には適量というものがあります。用量が少な過ぎると、効果がでにくくなるどころか、せっかく飲んだ薬が無駄になってしまうことさえあります。反対に量が多過ぎると、効果が強く出過ぎて有害な作用が生じやすくなります。 例えば、解熱鎮痛剤のアセトアミノフェン製剤(商品名:カロナールやアンヒバなど)を服用すると、むかつきや食欲不振、吐き気を催すことがあります。これは、アセトアミノフェンの主作用である熱を下げ痛みを抑えるという作用に伴って、胃の粘膜の血液の流れを悪くする作用があるからです。この作用が食欲不振などの原因ですので、痛みが強くて熱が高いからといってたくさん飲むと、副作用が起こる可能性も高くなります。 さらに効果が出ないといって、用量を増やして長期間のみ続けると、肝臓や腎臓の機能が悪くなったり意識障害やショックなどを起こすこともあります。効果が出ない時には、同じお薬を、飲み続けないで、お医者さんに相談しましょう。 副作用を未然に防ぐ一つには用法・用量を守ることです。ただし、個人個人の体質の違いや、副作用を起こす量が個人によって異なりますので、正しい用法・用量でも生じるばあいがあります。 何か気になる症状の時には、医師・薬剤師にご相談されてみて下さい。
「薬と薬」の飲み合わせに注意
2種類以上の薬を同時に服用すると、お互いの作用を弱め合ったり、強め合ったりして、それぞれの薬の効果がうまく現れなくなってしまうことがあります。効果が現れないばかりか、思わぬ副作用が生じることがあります。 新聞でも話題になりましたが、抗がん剤(フルオロウラシル系)を利用している患者さんで、帯状疱疹に罹患し新しい抗ウィルス剤の「ソリブジン」を使ったところ、血液をつくる骨髄の機能が急激に悪くなり、亡くなられた方が出た事件がありました。抗ウィルス剤の「ソリブジン」を使うことで、抗がん剤(フルオロウラシル系)の作用が強くなったために起こった副作用でした。 かけもちで病院や診療所にかかっているときは、このような「薬と薬」による副作用を防ぐために、処方されている薬をお医者さんに話しておく必要があります。受診した際に「何かお薬を服用されていますか?」聞かれることがあります。お薬の飲み合わせをチェックしてくださる為のものです。 病院のお薬だけでなく市販のお薬を服用される時にも薬局・薬店でお薬の飲み合わせをチェックしていただくことが大切になってきます。(つづく) タケハラ薬局(店内ニュース)
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