糖尿病―パート2―
~食事療法と運動療法~
糖尿病の治療の目的は、過剰になった血液中の糖分の量をコントロールすることです。すなわち。血液中の糖分の値(血糖値)を正常な範囲まで下げ、その状態を保つことです。血糖値がコントロールされることによって、糖尿病にともなって生じる合併症(網膜症、神経障害、動脈硬化症等)の発生や進展が抑えられます。糖尿病の治療方法には食事療法、運動療法、薬物治療(経口血糖降下剤、インスリン注射)があります。薬に頼らずに食事療法や運動療法で血糖のコントロールをすることが基本的な治療となります。それでも血糖値が改善されない場合には薬の力をかりなければいけません。
食事療法
必要なエネルギーをとりながらバランスのよい食事をする。
糖尿病の患者さんは食事でとるエネルギー量を制限して血糖値をコントロールする必要があります。年齢や、身長、体重、運動量(1日の活動エネルギー)を基に病気の程度や合併症などを考えに入れた上、医師や栄養士の方が必要なエネルギー量を決めます。 糖質、タンパク質、脂肪、ビタミン、ミネラルなどをバランスよくとることが大切です。
全体のエネルギー量を減らすと必要な栄養素も減ってきます。カロリーは制限しても必要なビタミン、ミネラルは必ず確保しなければなりません。ただ1600Kcalなどの制限をするだけでは意味がありません。
「糖尿病食事療法のための食品交換表」(日本糖尿病学会編)の食品の目安とバランスのとれた献立を参考にされるとよろしいでしょう。
運動療法
適度な運動はインスリンの働きを刺激する
適度な運動をすることによって、血液中の糖分の値を下げるインスリンの働きを高める作用がでてきます。このことは、科学的に解明されインスリン抵抗性(細胞膜からブドウ糖の取り込み具合)が改善されることがわかっています。
散歩は1日7000~8000歩が目標と言われています。足の不自由な方でない限り、日常的な習慣とされることがよろしいでしょう。血糖値が上昇した食後に運動すると筋肉内の細胞がブドウ糖を取り込む率が高くなると言われています。散歩は、食後30分程度した後にされるとよろしいでしょう。
糖尿病の治療の詳細については、お近くのかかりつけ医にご相談ください。
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