お薬講演その7
年とともに副作用発現率が高くなる。その要因が二つあります。肝臓の機能が年とともに悪くなる。肝臓は外から入ってきたものを解毒化すると申し上げましたが、薬を無毒化する作用が弱くなると、薬が血液中に代謝されずに残ったままになります。肝機能が弱くなると副作用が出やすくなります。 腎臓の機能が弱くなると、副作用が出やすくなります。 老廃物を腎臓が排出する、排出されるべき薬の排出が遅くなると、いつまで も体の中に残った状態になる。薬が効きすぎることになります。 ペニシリンを例にとります。年齢とともに60代から70代、70代から80代と10歳ずつ上がってきますと、あくまで例ですが副作用の発現が高くなってきます。 年齢とともに薬の用量を設定して通常は処方設計が行われます。 同じ睡眠薬でも成人とは同じ量ではなく、半分の量で使われたりすることもあります。 若い方と高齢者での薬を飲んでからの血液中の濃度変化のグラフです。 若い方と年配の方とでは違います。 下の方のグラフは若い方で、薬を服用して2~3時間で最高になり、以後次第に低下・消失していきます。 高齢者はその2倍以上で、もちろんその方の肝機能、腎機能に左右されます。 肝機能、腎機能の悪い方はなおさら血液中の濃度が高くなります。 だから肝機能、腎機能は調べていただく必要があります。 睡眠薬を例にとりますと、ハルシオンという睡眠薬。銀紙を破るとブルー、楕円形のきれいなお薬です。 比較的短時間で効果を発揮する超短時間睡眠導入剤といわれます。 これを服用すると、若い人とご年配の方とこうして血液中の濃度が違います。 高いということは、薬がよく効いているということです。 ご年配の方と若い人と同じような量を服用して、腎臓、肝臓の悪い方は、もっと高くなっています。お薬が効き過ぎると、たとえば夜中トイレにおきて立ちあがったところ、薬が効き過ぎてフラついてこけた、トイレで倒れた、ということがあります。 だから、睡眠薬をお飲みになる方は夜中にトイレに起きて歩かれる時には十分ご注意ください。 もちろんアルコールと一緒に服用すると、この効果が上がり過ぎ、一過的に夜中に目覚めたとき断片的に記憶がなくなることがあります。
永続的になるということではありません。一過的に薬の作用で意識がなくなり、自分がとった行動を覚えていないということがあります。 このお薬を服用して夜中、ウロつく方はないと思いますが、お寝みになった後、トイレに行かれる時は用心してください。話は変わりまして、先ほどお薬の効果はどうして発現するかという薬の特徴のお話をさせて頂きました。今度は、一般的なお話でお薬は正しく保管しましょうというお話です。 これは皆さんもお分かりだと思います。 病院からいただいたお薬を朝飲む薬、昼のむ薬、夕方と寝る前と、チャンと自分で分けて管理されている方も多いと思います。 帰ったらすぐ、ハサミで切って分けるよ、という方も多いでしょう。 お薬はきまった場所に置くようにして頂きたい。 また、お孫さんがいらっしゃるような方は、お孫さんの手の届かないところに。 間違ってお孫さんがお薬をおもちゃや遊び道具と思って持って行く場合があります。 以前、私がお客さんにお渡ししたお薬が、お孫さんが遊び道具と思ってどこか二階に持っていったことがあります。 ご本人様が先ほどもらった薬がないがどうしたんだろうか?と問い合わせがあり、実はお孫さんが二階にその薬を持って行ってたということがありますので、ちゃんとお孫さんの手の届かないところに置いて下さい。 薬は光や高温に非常に弱い。 使わない薬、使わない薬は処分したほうが良いけれど、ただ、塗り薬、外用薬、ちょっとしたときに使うお薬、何かある時に使おうという薬は、お薦めはしませんけれど、保管する時は日光や、高温多湿、湿気を避けて冷蔵庫などに保管するのが一番です。 |